学習塾ブログ / ムダなんてないですよ?
ムダなんてないですよ?
こんにちは。小川教室の坂元です。
入試問題を授業中に演習していて、以前から気になっていることがあります。
みなさんの多くが、問題に書かれてあることを活かしきれていないのです。
問題用紙に載っている設問、引用文、図やグラフ、注意書きには、無駄な部分は一切ありません。問題を解くときに必要だから載っているのであって、必要でないなら載せられていません。不要な情報が載せてあったら、(もちろん紙代や印刷代、輸送にかかる代金など、いろいろとお金がかかるということもありますが、)問題を解く人にとって邪魔ですよね。要らない情報のせいで受験生に問題の内容が正確に伝わらなくなってしまいます。そして、そのような部分が「問題」として印刷されていたら、嘘になってしまいますね。だから、問題用紙に書かれてあること全てが設問に答えるために必要不可欠な情報なのです。
なんだか説教のような記事になってしまいましたが(笑)、このように強く主張してしまったのも、「ちゃんと読めばできていたのに・・・もったいない!!」という場面に何度も出会ってきたからなのです。
ところで、数学も問題文の読解力が大切だって、知っていますか?
数学は、ともすると、計算ができればよいと思われがちです。しかし、どんな計算をやればよいのか分からないと始まらないですね。それが分かるためには、問題文に書かれているいくつかの条件を整理して、大まかな図やグラフを描いてみなければなりません。そうすることで、「問題を作った人がきいてることは、つまり、こういうことでしょ?」と出題者の意図が明らかになります。ここまで来れば、もうこちらの勝ちです。「あ、これは授業で学習した、あの計算でいいな!」と解き方を思いつくことができますね。この作業ができる力を「翻訳力」なんて呼ぶ人もいますが、問題文の設定を言い換えて、自分の学習したことに近づけるわけですね。
また、数学の穴埋め問題も、読解力が欠かせません。大学入試センター試験などが特にそうです。空欄の前後のそこかしこに、問題を解くための重大なヒントが隠れています。たとえば、「①と②を利用して・・・」のような記述は、読む際に絶対に素通りせず、「①と②を見て、自分の学習してきたことの何が使えるかな?」と考えましょう。問題文に無駄なところなど無いのは先に述べましたが、急いで読み飛ばさずに、立ち止まって、「出題者は、なぜこう書いているのか?」とじっくり考えましょう。そういった、一見遠回りに思える練習を日頃から地道に積み重ねていくことが、案外大事だと思います。