学習塾ブログ / 言葉の魅力②
2015年12月09日
言葉の魅力②
「先生ー!先生の思う美しい英語って何ー?」
英語好きの生徒さんからの質問だ。
「うーん、そうだな beautiful じゃないかな。」
そんな月並みの解答しかできなかったが納得してくれたようだ。
これが「美しい日本語」だったらそうはいかないだろう。
母国語の日本語の質問に対して、
「うーん、そうだな 美 じゃないかな。」
などと答えた日には、二度とその生徒が話しかけてくれなくなることを覚悟しなくてはならない。
堂々と言えるものを持っていなくては。
私の好きな言葉で「おくゆかしい」という言葉がある。
「奥にひそむものに強く心がひかれる」という意味から、「深みと品位があって、心がひかれる女性」に対して使われる言葉である。
「かっこいい」という観点で考えるなら四字熟語だろう。
「森羅万象」など、素敵なフォルムとサウンドを持ち合わせた四字熟語は多々ある。
ほかにも美しい日本語はたくさんあるが、ひときわ眩しい閃光を放つことばがある。
それはやはり「お椀(おわん)」だろう。
だれの家にもある、おわん。
擬音語のような、擬態語のような、
敬語のような、感動詞のような、おわん。
日本語ならではの漢字とカナのハーモニー。
「おくゆかしい」のように控えめで、
「森羅万象」のように素敵なフォルムとサウンドを持ち、
「お母さん」のようにあたたかい言葉だ。
「先生ー!先生の思う美しい日本語って何ー?」
と聞かれたら、堂々と答えよう。
「それはおわんだよ。」
立川教室 小林