学習塾ブログ / 高校の定期試験も結構難しい

2018年12月19日

高校の定期試験も結構難しい

下の文章は、かなり以前に高校世界史の定期試験で出題された問題に対する、ベストで作成した解答例です。問題は「日露開戦にいたる過程を以下の用語を使用してまとめなさい」という小論文形式の「世界史」の問題でした。その際「イギリス、ロシア、インド、中央アジア、朝鮮半島、三国干渉、義和団事件」の用語を使用すること、とありました。生徒さんからの要望がありつくったわけですが、高校生には少し難しいかもしれません。かなりの上位校で出題された問題です。しかし、世界史ではよくある問題ですからこの程度はさほどでもないのです。

ただ、問題はこうした小論文的な要約や表現力を養うことのほうが難しいことでしょう。日常的にこうした短い小論文的な表現力を鍛えることは、大学進学後や就職してからももの凄く役に立つと思います。中学生の諸君にとってもこの文章表現力は大事です。
都立高校推薦入試には小論文が必修科目で出題される学校もあります。

不凍港を求めて南下政策を進めるロシアと世界的に植民地を展開するイギリスは、各地で帝国主義的対立を深めていた。ひとつはトルコ、東欧方面である。もうひとつは、中央アジアを勢力圏に収めたロシアとインドを支配下においたイギリスが衝突したアフガニスタン方面であった。その両方でイギリスに敗退したロシアは、20世紀に入り、東北アジアで中国の満州、そして朝鮮半島方面にその触手を伸ばそうとしていた。そこで、日清戦争後の三国干渉以来、ロシアと対立していたアジアの新興国日本は、義和団事件を機に満州に居座るロシアとの対立をいっそう深めるにいたった。日本は、東アジアにおいてロシアの南下を警戒するイギリスと1902年日英同盟を締結し、米英の支援を背景に日露開戦に踏み切った。

20世紀初め、今から100年以上前の世界情勢。アフガニスタン、朝鮮半島・・・今でも火薬庫的な地域ですね。19世紀の覇者イギリス(20世紀初頭には陰りが見えてきた)のかわりに今はアメリカですね。
日本は日清戦争では中国と、そして、日露戦争ではロシアと、第二次世界大戦ではアメリカ、イギリス、中国と戦争をしています。19世紀~21世紀、世界の超大国として覇権を競った、そして現在も争っている国々です。それらの国に近代日本は果敢に挑戦しました。

そして、イギリス、アメリカ、ロシア、中国はお互いに1回も戦争していません。(アメリカが朝鮮戦争の際に、国連軍として中国と「局地戦」を行った例外を除き)みなさん、それは何故だと思いますか?

ベストの広場12月号
代表エッセイより