学習塾ブログ / 夏目漱石と故事成語

2021年07月07日

夏目漱石と故事成語

突然ですが、“夏目漱石”と聞いて何を思い浮かべますか?
おそらく『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』などを書いた人、というイメージが強いのではないでしょうか。国語や歴史の授業で聞いたことがある方もいるかもしれません。

今回は、この“漱石”の名と故事成語について触れていきたいと思います。

明治の文豪を代表する漱石の本名は夏目金之助で、夏目漱石はペンネームのようなものでした。「漱石」は故事成語の「漱石枕流」から名付けたと言われています。なぜでしょう?
故事成語とは、遠い昔の中国で起こったストーリーから生まれた教訓的な言葉のことです(入試でも出題されることもありますね)。
大まかな内容としては、

昔、中国の孫楚という男が「石を枕にし流れに漱(くちすす)ぐような暮らしをする」と言おうとしたのを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまいます。しかし、指摘されてもそれを認めず「石に漱ぐのは歯を磨くためであり、流れに枕するのは不潔な言葉で汚れた耳を洗うためだ」と言い訳をしました。

転じて、失敗を認めず、屁理屈をつけること、負け惜しみの強い者を指す言葉となりました。
漱石は短気で、神経質で、負けず嫌いといわれる性格を自覚しててこの名をつけたようです。

“由来”を掘り下げることで知識が広がると思っています。自分の気になるもので、「〇〇 由来」と調べてみてください。きっと新たな発見につながるかと思います。
 
小平教室 田村