学習塾ブログ / ルーローの三角形とシェルピンスキーのガスケット

2016年01月20日

ルーローの三角形とシェルピンスキーのガスケット

掃除機のルンバが有名になりましたが。「ルーロー」というのも出てきました。これは「ルーローの三角形」で出来た掃除機なんです。長さ1の線分を回転させるには直径1の円の面積があれば可能であることは誰でも解りますが、それより面積が小さい面積で回転可能であることが解っています。それがルーローの三角形です。しかし、驚くべきことに、無限に小さい面積で回転可能なことが数学的に証明されています。まことに数学は玄妙です。

シェルピンスキー(1882ー1969)というポーランドの数学者がいました。集合論や数論、位相幾何学などで業績をあげた学者です。多くの業績がありますが、一般には右にあげた「シェルピンスキーのガスケット」が有名です。左上が出発点で、次に左から二番目のように操作します。これが基本操作で、これを今度は残った3つの三角形にこの操作を行います。それが左から3番目。要するに、白い三角形をつぎつぎに同じパターンで抜いていくわけですね。それを5回続けたのが右下の三角形。こういうのを自己相似形といいます。シェルピンスキーのガスケット」とはこの操作を無限回繰り返した形です。この調子で白い三角形を抜き続けたら極限はどうなっちゃうのということですが、みなさんも想像してみてください。

もっと、面白いのは「メンガーのスポンジ」というこの立方体版があります。立方体でこの抜きを無限回繰り返すわけですね。スポンジどころか体積なくなっちゃうでしょという感じがしますが、興味のある方は、図書館やネットで是非調べてみましょう。フラクタルな図形や位相幾何学は素人にも楽しめます。

【塾長コラム】