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大学入試改革を眺めて
大学入学共通テストのプレテストが、今年の11月、つまり来月に実施される予定です。大学入試の改革がどんどん進んでいる実感が湧いてきましたね。
大学入試がようやく学生を多面的に評価するものに近づいてきたことが嬉しい反面、学校での指導がそれに追いついていけるのかどうか心配です。
いつ本格的に実施されるのかは不明ですが、将来、大学入学共通テストの成績、高校での成績、面接、小論文などをバランス良く評価されるようになり、大学が用意した入試問題は、無くなっていくのでしょう。これまでの入試制度では大学が用意した筆記試験での点数が合否を左右していました。しかし今後は、そのような一発勝負ではなく、学校での活動の質や表現力、人間性など、様々な能力も問われることになるでしょう。
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大学入学共通テストでは、数学?・Aや国語総合で記述形式を導入する予定で、サンプル問題も大学入試センターのホームページに掲載されています。都立中入試の適性検査や都立高校入試の国語第5問に似ています。都立中や都立高校の入試は先進的な部分があり、大学入試に先んじているといえます。サンプル問題の中身の方は、数学については良くできている印象でしたが、国語総合については、解釈が分かれるような設問があったり、採点基準が部分点を出しにくいものだったりで、今後改善が必要な印象でした。そもそも、何十万人もの記述形式の答案を、1つの基準で採点するのに無理がありますよね。採点は、問題作成者や専門家、大学入試センターの雇ったアルバイトがやるほかに、民間の業者にも委託するようですので、混乱するのではないでしょうか。
そもそも記述力は小論文などで大学が個別に検査すればいいことですが、アメリカのACTやSATでもエッセーは採点しているようですので、大量答案の採点は不可能ではないのでしょう
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大学入試において、英語は、「読む」「話す」「聞く」「書く」の4技能を評価できることを目標としていて、試験も大学入試センター作成ではなく外部の検定試験などを利用する方向のようです。
ところで、4技能重視の英語教育については根強い反対意見が多いようです。文法や読解を重視するべきだという方も多いと思います。ただ、英語を使えるようになるには、学校で教わる「文法」の学習だけでは難しいです。リスニングやスピーキングの練習を大量にこなさないと使えるようにはなりえません。むしろ、「文法」の知識が邪魔して、正確な英語を話せない、または書けない事態が生じるからです。たとえば、I want to be a doctor. を、 I want to become a doctor. と書く生徒が非常に多いのですが、これはもう完全に、文法・読解偏重の弊害です。中学生や高校生に、将来の夢は?と漠然と質問して、I want to become a doctor. なんて絶対不自然です。I want to become a doctor. は、医学部の学生に聞く質問としては正しいと思います。そのような違いを勉強するには、やはりリスニングやスピーキングの練習が欠かせないと思います。
ただ、4技能の習得には時間がかかるし、6年間では間に合わないという考え方もありますが、小学生から英語はやれますし、12年間でカリキュラムを組めば問題ないと思いますが、日本の教員の制度を考えると少し厳しい気もします。しかし入試の制度改革は否応なしに学校の制度改革を迫るものです。学校が変わっていくことを願っています。
小川教室 坂元