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多様化する大学入試~学力判定型の推薦入試~
2023年度大学入試のデータによると、私立大学入学者のうち、一般選抜による入学者が39.7%である一方、総合型選抜17.3%、学校推薦型選抜41.4%となっています。このように年内入試の存在感がますます増している状況の中、25年度の大学入試において、学力判定型の公募推薦を導入する大学が注目されています。
学校推薦型には、大きく分けて指定校制と公募制があり、いずれも学校長の推薦が必要です。指定校制は専願が前提で、校内の選抜で選ばれると出願できます。面接や小論文などの試験が行われますが、合格する可能性が高い入試です。
公募制も、以前は専願が条件で、評定平均などの出願条件があり、書類審査を経て面接などの二次選考に進むのが一般的でした。
それに対して、学力判定型の公募推薦は、他大学との併願が可能で、選考は基礎学力テストのみというのが主流となっています。このような入試方式は、関西ではかなり前から行われており、受験生に浸透しています。主なところでは、近畿大学や龍谷大学が長年に渡り実施しており、入試倍率が4倍にもなるほど、多くの受験生を集めています。
一方、関東では、これまでこのような入試方式を導入した大学はごく一部でした。今回(25年度)の入試で、東洋大学をはじめ、大東文化大学、関東学院大学、共立女子大学が、学力判定型の入試方式を導入したことによりその動向が注目されています。
東洋大学では、全学部で基礎学力テスト型の入試を導入しました。学校長の推薦があれば出願でき、同大学の一般選抜や他大学との併願が可能です。試験科目は2教科2科目(英語・国語または英語・数学)で英語は外部試験のスコアも利用できます。
この入試を利用することで、受験生は年内に合格をもらった上で、一般選抜で他大学、他学部にもチャレンジできる点で、メリットが大きいと言えます。しかし、入学金に相当する入学申込金を納入する必要があり、結果的に他大学への進学が決まっても、申込金は返還されないという点は注意する必要があります。
学力判定型公募推薦は、今回が首都圏の本格導入の年と言えます。その実施結果と同時に、次年度以降の他大学の導入の動きにも注目していく必要があるでしょう。
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